化粧品OEM生産の流れ |
コンセプトを決めます。
「どのような商品を作りたいか?」
テクスチャーや香り、機能や効果など、または配合したい原料など商品の核となるコンセプトを決めます。
OEM会社に問い合わせをしても「どのような商品を検討していますか?」と必ず聞かれます。
作りたい商品を明確に説明できるようにしておきましょう。
商品の中身(バルク)だけではありません。包装資材の形態も決めましょう。
ボトルタイプなのかチューブタイプなのか、容器の形状によって商品の粘度(硬さ)が変わることがありますので、事前に決めておくほうがよいでしょう。
処方開発
コンセプトを基に化粧品OEM会社が試作品を作ってくれます。ここで重要なのが、要望を明確に伝えることです。漠然とそたイメージしか伝えられない場合、研究員もどのような商品を作ればよいかわかりません。
例えばテクスチャーは〇〇社の〇〇製品、香りは〇〇社の〇〇のようなフローラル系など参考商品があればそれをサンプル品として渡すほうがよいでしょう。
また、使用したくない原料がある場合は事前に伝えましょう。石油由来の原料や合成の原料、防腐剤など使用したくなければ事前に伝えることによって、それらの原料を使用しない商品の処方を組んで貰えます。
配合したい原料がある場合
化粧品原料として流通している場合は、OEM会社で入手が可能です。地域の特産品や、農作物の副材などを原料として使用する場合は、その原料が化粧品として使用できるか確認が必要です。OEM会社に相談すればアドバイスが頂けますが、安全
性試験の結果やMSDS(マテリアルセーフティデータシート)の提出を求められます。事前に用意しておきましょう。
パッケージデザイン
商品の売上を左右するといっても過言ではありません。処方開発と並行して始めましょう。
印刷なのかラベル対応なのか、ボトルタイプかチューブタイプか。ミストタイプかポンプタイプか。化粧品の形態により選択する容器も異なります。
容器やチューブ本体に着色する場合、ある程度のロット(数量)が必要になります。包材会社にもよりますが3,000本程度必要な場合があります。印刷の場合1,000本程度から可能です。会社によっては100本からでも印刷してくれる会社があります。
印刷ロットに満たない場合はラベルで対応するとよいでしょう。
デザインはデザイン会社やデザイナーに依頼することが多いと思いますが、身近にお付き合いがないのであればクラウドソーシングを使うのもお勧めです。価格的な魅力もありますが、テイストの違う提案を多く見れる場合もあります。
商品名
商品名を決める場合、商標検索を勧めします。せっかく決めた商品名・デザインでも他社が既に使用している商品名は使用することができません。そのまま使用してしまうと商標権の侵害で訴えられる場合があります。商品名・デザインが決まれば商標権を取得するほうがよいでしょう。他社に真似されることを防げます。
商標の取得は弁理士に頼むことが多いですが、商標の検索はHPからでも調べられます。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage
同じ商品名でも区分が違えば使用することは可能ですが、慣れないうちは弁理士に相談しましょう。
薬事法
商品名、商品パッケージに表記する文言には薬事法に抵触する商品名・表現をすることができません。慣れない場合は化粧品OEM会社に確認してもらいましょう。
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商品の仕様
商品のデザインのほかに包装資材を検討します。化粧箱・小箱・外装箱など商品を入れる梱包箱の仕様を決めます。
化粧箱は商品のキズ・汚れを防止するだけではなく、デザインにより商品の価値を向上させます。小箱・外装箱は商品の販売単位に合わせた本数にすると出荷の時に手間が省けます。
本生産
処方・仕様の決定後に本生産となります。容器の納期が一番長いので容器の生産が完了してから商品の生産に入ります。
OEM会社に全ての手配を任す場合は、OEM会社が資材の納期から本生産までのスケジュールをしてくれまますが、資材を自分で手配する場合は納期に気を付けましょう。
《まとめ》
化粧品をOEM生産で作る場合、商品のコンセプトを明確にすることが重要です。自分の頭の中にある商品イメージは自分しか知りません。それを明確に伝えることが重要です。
また、化粧品OEM会社によって生産ロットは異なります。経済ロット(数量)が3000本のところもあれば10,000本のところもあります。事前に問い合わせをするときには必ず確認してください。
最近では小ロット生産の会社も多くなってきましたが、その分どうしても割高になってしまいます。直接のお客さんがいる場合は多少原価率は高くても問題ありませんが、中間流通を使う場合は中間マージンも考えなければなりません。その場合あまりにも原価が高すぎると販売価格が高くなってしまします。その販売価格が実際の流通で適切な価格か検討しましょう。
コンセプト→生産ロットの確認→特許・商標確認→処方・仕様の決定などが一連の流れとなります。
ご不明な点、アドバイスが必要な場合はこちらまで。